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◆あ行
あげまえ【揚げ前】
 柱の根継ぎや不同沈下あるいはイガミ突きのために、てこやジャッキを使って建物の一部あるいは全体を持ち上げること。
あしがため【足固め】
 敷居の受け材。
あらがみさま【荒神さま】
家の中で「竈」=荒神とされてきた。古来より「火の神様」としてあがめられ、竈と一体化されてきた。竈荒神の回りを汚すと、荒神さまが打ち震え、荒ぶる神となる、と言い伝えられ、何よりも「火事」が怖い時代の言い含めだったかも知れない。
いがみつき【イガミ突き】
 歪んだ建物をケンドで突いたり、ロープで引張り、元の垂直の状態に戻すこと。建前時に垂直にするのは「立ち直し」という。
いたず【板図】
 大工棟梁が板に描く設計図。間取りと屋根の形状および床やオダレなどの有無、あるいは建具など、設計上の全ての情報が盛り込まれる。寸法は尺杖によるが、通り符号が記入される。通り符号は間口に向かって左端がイ.で、表の柱通りが一.になる。
いちもんじがわらぶき【一文字瓦葺き】
 軒先瓦のタレ(飾り板)の下端が一直線に揃う瓦を使った葺き方。合端を取りながら葺くので手間がかかる。軒先の一直線が町家の外観に端正な印象を与える。
いどびき【井戸引き】
 井戸やハシリの裏の側壁に設けられた横架材。湿気で側柱が傷まないようにカズラ石より3尺の高さに入れる。明治以降は井戸引きから下に煉瓦を積んでいることが多い。
いぬやらい【犬矢来】
 大塀作りや料理屋に見られるもので、機能は「駒寄せ」と同じ。
うしばり【牛梁】
 トオリニワの梁間の側繋ぎ(梁)にかけられる丸太の梁。ひときわ大きな材が使われ準棟纂冪と呼ばれ、架構材のなかでもとりわけ印象的である。しかし端部の支持は材の大きさに比べて簡易である。
うだつ【卯建】
 延焼防止などの理由から、建物の両妻側の壁を屋根より上に立ち上げ、小屋根を載せたもの。表の両端に壁を突きだしたものを袖卯建というが、いずれも京町家にはごくわずかしか残っていない。元は棟を受ける妻柱のこと。
うちのりはしらませい【内法柱間制】
 柱間を柱の芯々ではなく、畳のサイズ(6.3尺×3.15尺)を基準にして、内法で決める方法。したがって6帖と8帖では柱の芯々が異なり、複雑な間取りには適用しにくい。間取りが定型化したために可能となったモデュールである。柱の内法が一定化すると建具の幅も一定になり、鴨居の内法の標準化と併せて建具も規格化された。
おおだな【大店】
 大規模な商家のこと。戦前は分家、別家、借家等多くの家作を所有し、保守・管理等のために常に作事が出入りをしていた。大工は3、4軒の大店に出入りすれば5、6人の大工を抱えてやっていけた。
おおど【大戸】
 表の入口にある潜り戸の付いた大きな戸。夜間の防犯上の扉で、外側の格子戸と二重で進入を防ぐ。頑丈に作られているうえに2重、3重の戸締まりを備える。
おきどこ【置き床】
 部屋の隅を使って、畳の上に置く簡易な床。床を取る余地がない場合の工夫である。下がり束に壁や板を取り付ける吊り床も同様の工夫である。
おだれ【オダレ】
 下屋の出桁の下に架け渡される幕をかけるための材。幕掛け、水引框とも呼ばれる。
おもてやづくり【表屋造】
 店とすまいの棟を分けて、間に中庭を設けた町家のつくりをいう。大店に多く、中庭に面して玄関が設けられる。
おりつくばい【降り蹲踞】
 排水をかねて、庭より一段低く据えられる蹲踞。深く掘り、水が浸透するように砂利を充填した上に据える。