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京町家友の会

京町家友の会新年度にあたって

◎ご挨拶/京町家友の会新会長・西村吉右衛門


 この度、14年にわたり会長をお勤めいただいた松村会長の後任になりました西村吉右衛門と申します。至らない点も多いかと思いますが、前会長の功績を無にしないように、偉大な先発ピッチャーの後のショートリリーフとして精一杯やりぬこうと思っています。
 京町家友の会の目的は、町家の保全再生に関わる情報交換と会員相互の親睦をはかる事です。この目的のために、会長というよりむしろお世話役として、皆様方のご要望にこの会がよりよく答えるように、運営のお手伝いをしていく所存です。
 私は、450余年続く老舗の家に生まれました。1555年に室町三条で創業した千切屋一門の千吉という老舗でした。もともとは法衣商として創業し、衣棚は祖先が由来だと聞いております。明治以降は一般の織物を取り扱い、戦後は着物用の白生地や染め物を扱う製造卸を行っておりました。きもの市場の縮小とともに、私の不徳の致す所で10年前整理に追い込まれてしまいました。親族のお陰で町家の自宅だけが残り、その町家を温故知新から「知」と「温」をとり「ちおん舎」と名付け、貸し会場として運営する事業を始めました。
 たまたま、大正4年に大正天皇の御大典のために増築した2階建ての三十畳近い広間があり、様々の用途に使用できる広さがありました。最初に広間の照明に手を加え、昭和12年にできた茶室の補修をして、茶道教室を始めました。
 その後、理念にかかげた温故知新に合致した借り手の方が次々現れ、海外の方々向けの日本文化体験や香道や落語などで毎日が忙しくなりました。掃除や整理が苦手だったのですが、同級生でもある門川市長も入っている京都掃除に学ぶ会に出会い、掃除も自分を高めるものとして、楽しくできるようになりました。そうすると、無い物ねだりをしていた自分の中に、今ある町家を大切にする気持ちが起こってまいりました。そして、至らぬ自分の中にも至るものがあると信じて、毎日この町家と同時に自分の心を磨いております。
 会長としては能力不足かもしれませんが、これもご縁と思い努力する所存ですので、皆様方には、今後とも、当会に対する積極的なご参加ご協力をよろしくお願いします。


三原家

中村家路地
(安田泰幸・画)

◎友の会事務局からのご報告/小島冨佐江


楽町楽家2013催しより 
小島家にて「新茶を楽しむ」
 昨年度より、事務局体制の移行などで皆様にはご心配をお掛けしておりましたが、先般5月26日の定時総会において新会長と幹事、事務局のご提案をし、皆様のご承認を得ました。新しいメンバーで本年度からの友の会の運営をいたしますので、どうぞご協力のほどよろしくお願いいたします。

新会長 西村吉右衛門
幹事 小林亜里 山田有子 藤井美由紀(東京支部)
事務局 丹羽結花(京町家再生研究会事務局長)小島富佐江

 総会におきましては、例年通りの活動を進めていくことでご承認を得ました。春夏秋冬の例会、「お宅訪問」、「京町家歳時記」など企画を充実させていくつもりです。
 友の会が組織されて15年の時間が経過しました。京町家の保全再生を活発にしていくための緩やかな集まりとしてこれまで活動を続けてまいりましたが、町家への注目が続く中、暮らしやすまい方を考える友の会の必要性がこれまで以上に大切になってきております。
 京町家のこれまでを振り返りながら、あたらしい「暮らし」を考え、実行していくことのできる組織として、今年も活発にいろんな事に取り組んでいきたいと思っております。どうぞご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 前会長 松村篤之介様、事務局長 山田公子様には長い間お世話になりました。ありがとうございました。なお、松村様には相談役として今後も友の会のお目付け役になっていただきます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。