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京町家友の会



ご先祖さん

祇園祭と子どもたちの夏休みにうきうきとした7月がようやく終わって、ほっとひといき。さあ、8月はどうしてすごさはるかな?どこか旅行に行かはる?今年は海外に出はる人もまた増えてきたことがニュースで流れてたけど。

そやけど、8月はお盆があるのを知ったはりますか?
広辞苑で盂蘭盆をひいてみると
「7月15日に種々の食物を先祖の霊に供えて、餓鬼に施し、祖先の冥福を祈り、その苦しみを救うこと。この日、一般には墓参、霊祭(たままつり)を行い、また棚経をあげる。」
と書いてあった。

仏さんのやはらへん(お仏壇のない)お家もあるけど、ご先祖さんのやはらへんお家はないはず。普段は仏さんのお守りしてへんかっても、節目節目の決まりごとは大事にしんとご先祖さんに申し訳ない。最近、お盆休みは遊ぶことに使うのが当たり前のようになってるけど、ご先祖さんのお守りをするのがお盆。静かにご先祖さんのことを考えながら過ごすのが本当の過ごし方やと思う。

宗旨によってお盆の迎え方は違う。私の家は門徒。「門徒もの知らず」といわれるほど何もしいひんけど、お迎えとお墓参りはよそさんと同じ。お盆の間、仏さんのお膳はつくらへんけど、ちょっとはお精進を気にする。いつもいつも贅沢ばっかりしてたらばちがあたる。

京都はわざとに送り火を焚かんでも皆が一緒に大文字の送り火でご先祖さんを送れる。最近よく「大文字焼き」はいつですかと聞かれる。そんなんあらへんと思うけど、「大文字の送り火」やったら8月16日ですとお返事する。大文字の送り火はご先祖さんが帰らはるためのもので、人間が遊びで見るもんと違う。このへんの気持ちはわかってほしい。送り火の日に合わせていろんなイベントがあるけど、あんまりややこしいことしたら、あの世へ帰らはるご先祖さんがまよわはらへんかとはらはらする。

2003.8

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