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京町家友の会


やすもんがいのぜにうしない
このごろ激安とか、百円ショップとか、値段が安いことばっかりが大事みたい。買い物するときの価値判断が値段だけてちょっと気になる。
捨てることが美徳とか、捨てる技術とか、ごみをつくることばっかり。消費はある意味大切かも知れへんけど、捨てても気にならへんもんが多すぎるのと違うやろか。使い捨てがいいように言われているけど、もったいないて思はへんのやろか?品質がよおて値段が安いのならわかるけど、とにかく安いだけというのはあんまりや。あんまり質を考えて作ってないし、ちょっとつこたら、じきに傷んでしもて修理もせんと次買うほうが安上がりやて。 「安かろう、悪かろう」ではちょっと困る。洋服かて手入れもしんと洗濯機でガラガラまわして済ますようなもんが多なりすぎて、いつもおんなじかっこ。よそいきがあらへんのも仕方ないのかなあ。わたしら式服は長年着んならんから、いいもんをとか、オーバーはかるうてあったかいのがいいし、そういうもんは、あちこち探して選んだし、すこし値がはっても10年着たらばちあたらへんやろなあとおもてた。使い方によって区別もしてたようにも思う。バーゲンで安い安いいうてこうても、いっぺんしか手を通さへんかったり、すぐに飽きてしまうような、中途半端な買い物をしたら、そんなんを「やすもんがいのぜにうしない」いうのえて、おばあちゃんに言われた。値打ちのあるものをちゃんと見て、それを大事にとことんまで使うことが肝心。たくさんお金をつこて、高いもん買うのがいいのとは違う。値打ちのあるもんを見つけて大事につこてこそ、お金も生きてくる。いままでは皆がそうしてものをじっくり選んで、いいもんを作って、大事につこてきたと思うけど最近の様子は目に余る。
あんまり安いもんばっかりに走ってもうては困りますなあ。

2002.12


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