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京町家友の会


よそのおうちへ行くときは・・・
 あいさつぐらいちゃんとしよし。こどものときからずっといわれてきたこと。よそのおうちへ遊びに行くとき、おばあちゃんに「ちゃんと、こんにちはていうねん」て、かならず念をおされた。毎回々々、「そんなんわかってるわ」心の中では思てたけど。
 このごろの人はあいさつの仕方をしらはらへん。とくに畳の上でのあいさつはへたやと思う。お座敷に通ってもろて、座ってからあいさつと私のほうは思うのに、お座敷に立ったままあいさつしゃはる。「どうぞお座りください」て言うてても、「いやいや・・・」とかなんとか言いながら立ったまま名刺を出したりしゃはる。日本の家に住んだことないのかなあ?とつい疑ってしまう。それと、お座敷では座る場所もわからはらへん人が多い。目上の人から上座へ座ってもらおと思てても、つかつかと若いお供みたいな人が床の間の前に平気で座らはる。こっちのほうがひやひやする。以前、10人ぐらいで打合せをお座敷でしたことがあって、若いおじょうさんがお手伝いをしますからということできゃはったんやけど、つかつかと一番上座へ座ってしもて・・・。びっくりした。「なんやこの人、お手伝いをするて言うたはったんと違うんやろか?知らんというのにも程があるなあ」と思てしもた。その人にはお手伝いはしてもらわへんかった。どんなことしゃはるかこわいし。
 お客さんはお座敷にお通しすることにしてるけど、このごろの人はお座敷の意味がもひとつわかったはらへんみたい。リュックサックもってはいったり、大きな荷物やコートもそのままで入ったり。うちはホテルと違うしクロークもないけど、そんな大きな物は「どこにおいたらよろしい?」て聞いてくれはったら、「こっち」とか「おあずかりします」とか言うのに。あの無神経さはわからん。
 あいさつを上手にするのはむずかしいけど、丁寧にすることは誰でもできると思う。ちょこんと首だけ下げてあいさつしたつもりみたいなんが、たんとやはるけど、やっぱりもうちょっと丁寧にしんと、よそ行ったときに笑われますえ。

2002.10


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