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はじめに京町家再生研究会京町家作事組京町家友の会京町家情報センター

2004年度11月〜2月 景観・まちづくり大学・後期講座案内
京都市景観・まちづくりセンターにおいて、京町家再生研究会の企画で開催された
「京町家再生セミナー」の記録です。

第4回 1/23 (日) 14:00〜16:00
「空き町家をまちづくりの拠点に
     ─だれが町をまもるんや─」

講師:大井一郎氏(町家所有者・大家) 
    小丸和恵氏(こどもと川とまちのフォーラム京都事務局長・店子) 
コーディネーター:梶山秀一郎氏(京町家作事組理事長)

年が変わり1月23日に、第四回の「京町家再生セミナー」が開かれました。講師には「町儀録」のご研究をされ、町家の大家である大井 市郎氏とその店子である「子どもと川とまちのフォーラム」事務局長の小丸 和恵氏のお二人、テーマは「空家をまちづくりの拠点に---だれがまちをまもるんや---」について語っていただきました。コーディネーターは「京町家作事組」の梶山 秀一郎理事長で、大井氏は「おやじ」、小丸氏は「マドンナ」、自身は「かき回し役」の位置づけです。
「京町家ネット」の情報センター、作事組を介して、空き家の町家の改修と活用が同時に実現した経緯、大家と店子と設計者、職方を交えた設計、現場での議論と解決策、「世界水フォーラム」のため、一年工事を待った大井さんと工事中の町家の中でもNPOの仕事を続けた小丸さんの思い、近隣地域や多様なNPO,市民、研究者を巻き込んで町家の再生を広く公開し、実際の参加を求めたプロセスと完成後の見学会まで、映像を交えながらの紹介がありました。
大井氏からは空き町家の活用は資産運用効率のパズルではなく、利用でもなくあくまでその活用を目的としたこと、「町儀録」に残された近世の町の活動は福祉、社会事業から、インフラ整備まで地域社会、財産の継続のための「自治というより自衛」のシステムであったこと、今日の地域と行政のパートナーシップが言うべくして難しく、納税者の親睦中心となっていることが話されました。
小丸氏からは活動拠点としての町家へのこだわりと思い、子供をNPOの活動主体に加えた意味、昨年の台風被害を見るまでもなく、かつての河川行政の枠組みの限界と地域の参入の求められている状況、川づくりとまちづくりの不可分の関係についてのお話がありました。
まちも川も、住民だけでも行政だけでも成り立ちに難い今、先に走らなければならないのは誰なのか。今回のテーマに対して「ヒト、チイキ、キョウドウが京の町を再生する」が締めくくりとなりました。