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京町家再生研究会
4会からの新春のご挨拶
 新年明けましておめでとうございます。昨年も色々と京町家ネットの活動展開がありました。中でも初めての全国的な試みとして、六月に全国町家再生交流会を行いました。幹事の方々の大変な努力のおかげで全国から多くの町家再生の仲間が集まり、楽しく二日間を過ごしました。折角のこの集まりを何らかの形で今後に繋ぎたいと思います。皆様のご意見やアイデアをお寄せ下さい。今年は再生研究会活動の一つのテーマとして明倫学区のまちづくり委員会と連携し、特に新町通りの町並み整備に係わって行きたいと思います。例会でも、町家や町並みの調査や再生の企画などを取り上げ、会員の皆様の積極的な参加を期待しています。京都市の町家悉皆調査に先駆けて、平成6、7年に行った町家調査から10年が経過し、町家を取り巻く状況も大きく変わって来ました。最近、行政関連団体や市民活動、研究者から、活動に対するアンケートの依頼が頻繁に届きます。また、シンポジウムや研究会などへのお誘いもしょっちゅうです。それだけ町家を巡る動きが活発になっていると思われます。しかし、その中身は空家対策や町の空洞化の話など、必ずしも楽観的なものではありません。京都においても最近は町家ブームの弊害が話題になります。そのような状況の中で、研究会のこの十年の活動を振り返って、春ごろにシンポジウムを開こうという話もあります。ご期待下さい。
……………………………大谷孝彦(再生研究会理事長)

 明けましておめでとうございます。今年も相変わりませず「京町家友の会」の活動にご協力、お力添えをよろしくお願い申し上げます。
 「井蛙(せいあ)」という言葉があります。勿論文字通り「井の中の蛙大海を知らず」ということ、自分は判ったつもりでも、それは単なる周辺のみのことであり、もっともっと大きな世間があることが見えていないということを言っていると思います。
 「京町家」に生まれ、育ち、関わって時間が経ちました。結構いろいろの事を知っているつもりが、さてその場に出くわすと新しい発見が次々とあります。例会等の集まりに出席して見学や勉強をしたり、又多くの方々とお話をすると、その都度ハッと思い当たること、新しく教えられることがあります。今までいかに「井蛙」であったかと思い知らされます。
 今年もより一層出かけて行って広い世間を学ばなければならないと思っています。是非会員の皆様と一緒になって「京町家友の会」の歩を進めたいと考えております。更なるご支援をよろしくお願い申し上げます。
…………………………松村篤之介(友の会会長)

 迎春とは名ばかり、春は雪に霞む彼方にあることすら信じられない。2月に入ると、まちなかでは冬まっ最中なれど、畑では春の息吹が目にも肌にも。畑の季節と暦があわない、8割の百姓と2割のその他がひっくり返った今、まちの暦で仕方ないか。いや百姓だけの問題ではなく、万般暮らしの季節と暦があわない。太陰太陽暦を主とし、グレオリオ暦を従とするに何の不都合があろう。
 さて作事組の10年時限活動も今年7年目を迎えます。初期の目標であった「技を再生し修得する」、「保全・再生を普及させる」は改修実践と広報活動、そして京町家とはなにか(『町家再生の技と知恵』)、どう直すべきか(『町家再生の創意と工夫』)のとりまとめと周知活動のなかで果たしつつあり、「次代を担う職人を育てる−京町家棟梁塾」は魁棟梁塾を踏み台に、順調にいけば春にはスタートします。そして残る「町家を守り、作る」のうち「守り」は実践そのものであるものの、「作る」だけが残っています。「作る」とは京町家が新たに建てられるようにすることを意味します。
 残り3年あまりの作事組の使命は作事組が達成したささやかな活動成果を、支援と協力をしていただいた皆さまににお返しすることだと考えています。ところが「建てられるようにする」ことは逆立ちしても作事組だけでできることではありません。京町家ネットの総力、同じ志の活動グループの結集、そして市民や行政の支援が不可欠です。なにかとお騒がせしますが今年も作事組をご愛顧たまわりますようにお願いします。
………………………………梶山秀一郎(作事組理事長)

 「新しい酒を古い革袋に」入れるのは、よくないことだと言うのが定説だそうですが、私は全く逆のことだと思っていました。
 間違いついでに、新しい酒を、使い込んだ古い革袋に入れることで、より芳醇な薫り高い酒を楽しもうとの意に解釈しようと思います。古い革袋は、勿論再生すべき古い京町家です。ここに夢とロマンと感動を注ぐことで、芳香を醸し出せるのではと思っています。
 最近完成した中京区内の建物5階屋上に、建物見学者のグループ何組かを案内しました。屋上から町中を見渡して誰もが「あゝ、これが京都か」とがっかりされます。ごく普通のおじちゃんやおばちゃんが、です。屋上からの眺めはマンションの林立です。これでは、京都の街は崩壊します。
 私は幸い町家を再生しようとする皆さんに囲まれています。今年は町家オーナー・ユーザー共々に感動できるような町家の再生を、1棟でも多く実現したいものと思っています。本年も情報センターをよろしくお願い致します。
…………………………大井市郎(情報センター代表)

2006.1.1