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京町家再生研究会
大谷孝彦(再生研理事長)

ネットワークの拡大を目指して
 清清しい青葉の季節を迎え、京町家ネットの各会とも気持ちを新たに、新年度の活動を始めています。京町家再生研究会は発足以来12年目を迎え、作事組、友の会はそれぞれ6年目、情報センターは3年目の活動に入ります。その中で、再生研は町家という建物、くらし、その再生に係わる様々な課題の研究に取り組み、町家再生の環境整備、理念構築という少し硬派の部分を受け持っています。作事組は設計と施工の職人が集まって、町家の保全再生に取り組む実践部隊です。伝統を重んじながら、新たな技としくみの再生を目指しています。友の会は町家のくらしを勉強しながら町家に対する理解と再生の意識共有を広めることを目指して、活発に見学会やイベントを行っています。情報センターは空き町家の情報を町家に住まいたい人、活用したい人に繋ぐことで、町家居住の継続、町家活用の活性化の役割を担っています。伝統木造である町家に理解のある多くの不動産業者さんが参加してます。各会とも、それぞれが主体性を持って、特徴のある活動を展開しながら、ネットワークとして相互の情報交換と活動の連携を計っています。全国的にみても、このようなネットワークを活かしながら活動している町家再生、まちづくりの市民活動はあまり例がなく、各地からも注目をされているようです。全国からの期待にも添えるよう、ネットの有機的な連携の密度を高め、より一層、活動を強化して行くために、具体的な事業、企画の連携を積み上げて行きたいと思います。


京町家再生研究会・総会の様子(5月8日)
 現在、共同のニュースレターやホームページによる情報発信を行っていますが、今年度はお互いの例会をオープンにしたり、共同の企画事業を展開し、会員相互に共有される場を作って行きたいと思っています。ネットの各メンバーが他の会の活動の様子を目の当たりにし、直接質問をしたり、意見を述べることができる訳で、相互の理解が深まり、また、それぞれの企画の内容をより充実していくことに繋がると思われます。そのような形にネットワークを積極的に機能させるために、各会の代表による連絡会議を定期的に設営することとなりました。いよいよ本格的な京町家ネットのスタートです。このニュースレターも、より多くの方々に読んでいただくために、もっと紙面を見易く、内容を分かり易くということを心がけて行きたいと思っております。ただ、「歴史的ストックとしての町家の再生とそれに基づく持続性のあるまちづくり」というようなネット共有の目標理念もあり、そのための、基本的な「生真面目さ」は失わないで行きたいと思います。時折、ネット相互間で激論が戦わされることもありますが、活動の理念がしっかり共有されている故に、結束が保たれていると言えます。この京町家通信のトップページも、今年度は各会の代表の方に交代で受け持って頂くようにしました。その折々の町家を取り巻く状況やネット活動の様子を各会の視点において、伝えて頂ければと思います。また、各会担当のページにおいては、今まで通りの具体的な活動の詳細などが紹介されます。

 今年度の再生研の具体的な研究課題として、
・構造や防火性能に係わる法制度
・居住性・環境などに係わるくらし
・資金調達の手法としての町家不動産化の具体化
・地域との係わり・研究組織との連携としての東西両本願寺門前町プロジェクト
・ネットワーク構築としての設計・施工交流会の継続
などに取り組んで行きたいと思います。そして京町家ネットの今年度の大きな企画として、全国町家サミットの開催をぜひ実現したいと考えています。乞うご期待ですが、これについては全国の皆様のご協力をお願いするところです。
2004.5.1