• 京町家net ホーム
  • サイトマップ
  • アクセス・お問い合わせ
はじめに京町家再生研究会京町家作事組京町家友の会京町家情報センター
▼'07 楽町楽家 詳細 主なイベント日程 ▼報告 コンペ展結果
 報告

 今年で3年目となる「楽町楽家」は5月19日(土)〜6月17日(日)の1ヶ月に亘り催しましたが、おかげさまで大盛況のうち無事に終えることができました。昨年までは参加者数を数えていなかったのですが、今年は各会場で参加者数をカウントしましたので、また後日ご報告したいと思います。
 会場としてご協力いただいた町家は、昨年よりも増えて全部で30軒になりました。最初の年には16軒でしたので、約2倍になったということです。すでに来年の「楽町楽家」に参加したいとおっしゃっていただいているお家もありますので、また来年も会場が増えそうです。


QUATRO ENCUENTRO コンサート


ひらめい展「瞑想する花」


絵手紙体験教室


住みたい町家を探しに行こう


長江家オープンハウス


論語塾


 催し内容は今年も多彩でしたが、いつものようなコンサートや作品展、体験会やオープンハウスなどに加え、初めての試みとして「ひらめい展」なるアートイベントを催しました。これは、主にギャラリーとして参加してくださっている5軒の京町家のそれぞれの特徴を活かして、町家自体の魅力を再確認出来るような作品の企画・構成ならびに作品を公募して選考したもので、町家空間での「ひらめき」を作品にというネーミングであります。その結果としては、若い有能なアーティストの方々によって非常に意欲的な作品展を開催することができ、多くの参加者を呼ぶことに結びつきました。また、それらのアーティストの方々とそのお仲間も加えて何度も楽しくコミュニケーションを図ることができたことは、私たちが課題としている次代への継承を鑑みる上では大変有効であると考えます。
 コンサートの演奏者の方々やおはなし会の読み手の方、またワークショップの講師の方々などは、「楽町楽家」という催しの意義を充分に理解した上で当日の企画内容を慎重に検討して決めていただき、当日はとても真摯で熱心に、素晴らしい演奏やおはなし、講演をしてくださいました。「京舞」や「狂言」などは、お座敷で小人数で楽しむということでは大変贅沢な催しとなりました。どの催しも定員を超えてのお申込みがあり、特に後半の催しは「楽町楽家」の認知度が上るのに比例して、定員オーバーになったり、お断りをしないといけない状態でした。
 「中古建具市」で葦戸を買った女性は、今年の「住みたい町家を探しに行こう」で見て廻った家の一つを借りる方であるとわかり、タイミングと縁があれば、もっともっと若い方々が町家に住んでくださると期待してよいと感じました。
 手打ち蕎麦体験会やおばんざいレッスン、オリーブオイルのミニ講座と試食会、創作フレンチのお食事会などは、毎年恒例となり人気を誇っています。
 新聞・テレビ・ラジオなども昨年以上に好意的な取材を申し出てくださいました。ポスターやリーフレットは、昨年のものがあまりに評判が良かったので、「良いものは大切に長く使う」の精神で、昨年のものをアレンジして使用し、来年以降も同じ方針で企画する予定にしています。
 今年の「楽町楽家」は、内容においてもさらに充実してきたといえますが、それ以上に、「町家に住む人を増やしたい」「町家を壊そうとしている人を思いとどまらせたい」「より良い改修の方法や実例を示したい」「町家の中にある暮らしや文化を伝えたい」「人と人とのコミュニケーションを大事にしたい」などなど、その目的・意義をより深く理解し推進していこうという仲間が増えてきたことが如実であり、単なる町家を舞台にしたイベントであるという表面的な見方をする方が少数派になってきたことが大いなる進歩と考えます。昨年は「楽町楽家」が京町家ネットに関わる多くの方々の温かさを感じる催しとなってきたと記しておりますが、今年はそれ以上に、さらに多くの善意の人々との出会いがあり、町家の良さに気づく人々と仲間になれたことが特筆すべき成果でありましょう。来年もまた実りの多い「楽町楽家」となりますよう、皆様のより一層のご協力をお願い申し上げます。


(楽町楽家実行委員会)