• 京町家net ホーム
  • サイトマップ
  • アクセス・お問い合わせ
京町家net
四条町大船鉾会所 再生通信
- Vol.9 -
構造と履歴 内装材を取り除くと、露出した骨組みの多くが転用材であることが分かりました。二階の梁は、かつて人見梁として下屋を支持した腕木用の穴が等間隔で加工されています。筋交い・火打は昭和初期の町家では典型的な構造ながら、合掌造の屋根は珍しく、階高のある二階の深い軒を吊る桔木(はねぎ)は、曲がった栗のナグリで目を引きます。火袋では大黒柱に側繋ぎの跡が見られ、二階板間の床を増築した様子がうかがえます。また煙出し窓のそばに煙突の跡があり、戦時中にガスが不足して薪を使ったため土壁表面が黒く煤けています。座敷には書院の跡がありました。




再生検討会 第9回 9月6日、解体現場を確認してから、四条町木村邸にて9回目の再生検討会が開かれました。作事組末川氏の解説を受け、改修計画について床の間の狆潜り(ちんくぐり)は明るくて良い、幅が狭い一階トイレは出窓にできないか、など意見交換を行いました。荒壁・ベンガラ・三和土のワークショップについても工程表をもとに検討しました。

合同見学会 9月10日、大船鉾友の会・京町家友の会・京町家作事組・京町家再生研究会の合同見学会を開催しました。午前・午後それぞれ計画の概要と、解体現場から読み取れる事柄について説明を受けながら見学し、作事組萩野氏が壁の左官材料を見分されました。

防空壕の跡? 一階ミセ床下の地面に掘られた、数人が隠れることの出来るほど大きな穴は予想外の発見でした。おそらく防空壕の跡で、法面の崩壊を防ぐためコンクリートブロックで山留めされたとみられます。どのように活用できるか、検討中です。