「再生」と「再利用」 情報センターに日頃問い合わせて来られる人や、ユーザー登録に来られる人たちは、大半が「町家のいい物件ありませんか？」と言ってこられます。この人たちは出来るだけ手を入れないで住めるような町家を探しています。要するに「再利用」できる町家を探しているにすぎないのです。ですから条件の合う町家を見てもらっても「他にありませんか？」と、次々と見に行きたがり、何度見てもらっても決まりません。今ある町家を「再生」して活用しようという想いとは随分かけはなれた想いです。最近、とうとう「再生された町家の賃貸はありませんか？」という問い合わせが来てしまいました。「再生町家」が、ハウスメーカーが企画、開発した横文字の名前のついた「商品」と同じように、一つの「商品」として扱われ始めているのでしょうか。家というのはあてがわれた商品の中に、生活を押し込めるものではないはずです。気密性だとか断熱性だとか頑丈さだとかを数値で比較することで、「いい家」かどうかがわかるようなものでもありません。この貧しい発想を植え付けたのは、住宅メーカーの罪ですが、まさか町家に眼をむける人の中にまでそういう発想に毒されている人がいるとは思ってなかったので、かなりショックです。別の考え方をすれば、町家に対する関心が高まり、いままでなら見向きもしなかった人たちも、住宅や店舗を考える時に町家も一つの対象として見るようになったということでしょうか。このような問い合わせに対しても、「再利用」から「再生」へ想いを深めてもらうため、あせらず一人一人と話をしていこうと思っています。 オーナー登録数 29／ユーザー登録数 263／物件登録数 延202（済85含む）／契約件数 17 （03年8月10日現在） |
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