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京町家作事組
シリーズ「作事組の仕事」

作事組10周年事業を控えて

梶山 秀一郎(作事組理事長)


楽町楽家の風景(旧事務局)

楽町楽家の風景(現事務局)
 「今に生き、未来に責任を持つ住み手、市民そして私たちは、新しい京町家と京の町を作っていかなければいけないのではないか。そのためにも今の住まいと暮らしを見直すための、大切なテキストとして京町家を保全・再生する仕事が重要だと考えている。」(99.11.02京都新聞・朝刊)と、理念がちな意志を表明して、作事組はよちよち歩きを始めた。そのようになったかどうかは別にして、そうなるように心がけてこの10年の活動をしてきた。どこまでできてどこができていないかについては、9年目に8年間の活動の歩みと活動成果の自己評価をまとめて、京町家ネット各会に11年以降の活動の是非と、継続の場合に担うべき役割を問うた。その結果は、具体の問題として、友の会からは工事を完了した後の施主のフォローが不充分であるなど。情報センターからは町家改修での禁止事項をまとめて、登録会員に示して欲しいなどであった。それはいずれも、施主の友の会への自動入会、禁じ手集の作製として、形になっている。総じては「今、活動を止めるのは無責任」という理由で継続すべき、という消極的(前向きではない)な指摘であった。自己評価としては、町家を直して守ることの普及が不充分、法制度などの環境改善がなにもできていない、などであった。それについては「町家を守れ、建てられるようにする市民の会合」「作事組全国協議会」という、京都市レベル、全国レベルで普及、環境改善を目指す活動が始動している。

 しかし、作事組は「10年以内に所期の目標を達成して、店をたたむ」という公約を反故にしている。それを償うためにはこれまでの活動の総括と、新たな活動目標の設定が不可欠である。10周年記念事業は、お祝いではなく、そのための場としたいと考えている。

 また、「そのための町家の保全・再生は作り手だけでは何もできない。住み手の理解と協力、京の内外を問わず広範な市民の支援が不可欠と考える。作事組の結成と同時に「京町家友の会」が設立されたのはそのためである。私たちは友の会と共に学び、協働して町家の保全・再生に努めていくことになる。」(前掲紙)という決意も言い放しである。友の会と共催する10周年事業は、そのための仕切り直しの場になるように、準備委員会で話し合っている。京町家ネットのみなさんからも、作事組に対する率直な指摘や、要望をお示しいただきたい。 


■「京町家作事組設立10周年記念事業のお知らせ」

 京町家作事組は今年で創立10周年を迎えます。今年からは一般社団法人として新たなスタートを切り、この秋には京町家ネットの協力の下、共に10周年を迎える京町家友の会と合同で下記のとおり十周年記念事業を企画中です。詳細は、追ってお知らせ致します。

◎ 11/7(土)
 京町家ネットによる座談会、公開シンポジウム
 会場:京都市景観・まちづくりセンター
◎11/8(日)
 友の会会員、作事組会員の茶話会、お食事会
 会場:たま妓(中京区両替町通二条下ル西側)

◎11/1〜30
 作事組による御礼企画
 町家外観の簡単な補修、お掃除

  京町家作事組の十周年記念事業の一環として、日頃の活動を応援いただいている皆様への御礼企画を実施いたします。作事組監修による町家改修工事のお施主様、友の会会員諸氏、事務局のある植柳学区の地域の皆様のお住まいの町家へ、日頃手の届かない部分の掃除や簡単な補修に伺います。別紙にてご案内を差し上げます。詳しくは事務局にお問い合わせください。
   
山内 茂
  (作事組理事、京町家作事組設立10周年記念事業委員長)

◎作事組事務局員が変わりました
7月より作事組事務局員となりました森 珠恵と申します。
平日の午後1時半から5時半まで事務局におります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

(2009.9.1)