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京町家作事組
シリーズ「作事組の仕事」・その14

作事組全国協議会

内田 康博(作事組理事)


準備会会場 森家(姫路)
  昨年12月に開催されました第2回全国町家再生交流会の第3分科会「技術と町家」において、各地で町家(民家)改修の実務に取り組む方々が集まり、そこで、それぞれか抱える課題や解決方法について意見交換がなされ、技術、法・制度や慣習などにおいて、共通する課題が確認されました。そしてその場で「NPO法人八女町並みデザイン研究会」「姫路・町家再生塾」「京町家作事組」の3会から仮称「全国作事組連絡協議会」の設立が提案され、出席者全員の賛同を得て、発足の準備を進めることとなりました。
 その後全国各地の作り手のみなさんに同会への加入を呼びかけ、今年8月30、31日に姫路にて設立準備会が開催されました。準備会には全国各地(盛岡、金沢、富山、近江八幡、京都、奈良、今井、姫路、八女、臼杵)から11団体25名の町家の作り手にご参集いただき、会の目的、活動内容等について話し合い、規約案を練りました。規約(素案)の一部は以下の通りです。
〔目的〕 各地域に固有の伝統構法による建造物の保全、再生、継承を行うため、その課題となる法や基準、資材流通や市場、技術の再生・習得・継承等の課題に、全国で連帯して取り組むことを目的とする。
〔事業〕
  1. 各地の取り組みの情報交換
  2.  
  3. 各地の活動の相互の支援
  4.     
  5. 各地の実践による町家、民家等の保全、再生の普及
  6.     
  7. 各地の伝統構法の信頼性を取り戻し、それを担保できる枠組みの模索
  8.     
  9. 相互に学ぶ技術的な研修
  10.     
  11. 法や制度に対する政策提言
  12.     
  13. その他、本会の目的を達成するための事業

 その他、会の名称を「(仮称)作事組全国協議会」とし、事務局を京町家作事組事務局に置くことなどが話し合われ、来年2月21日(土)、22日(日)に京都にて設立総会を開催することになりました。
 準備会では各地での活動や課題が相互に紹介され、今後とりくむべき重点課題として、町家の法的適合化、技の再生・習得・継承、活用と継承などが浮かび上がり、設立総会と同時に開催されるパネルディスカッションや分科会でのテーマとして検討中です。
 今後、さらに全国で町家再生に取り組まれる作り手の皆さんに呼びかけ、参加者を募る予定です。長い歴史の検証を経て、風雪に耐え維持されてきた町家の伝統を守り、次代に受け継ぐため、皆様のご参加とご協力をお願い致します。

(2008.11.1)

神戸新聞
2008年8月30日
読売新聞
2008年8月31日