◎第五期京町家棟梁塾たより 5
座学では京町家の床の間や竹木舞下地など細部の収まりを、塾長の経験に裏付けされたお手製教科書に沿って学びました。この教科書は私が塾生であった10年前から年々厚みを増し、塾生達を学ばせる為に自らも追求し、まとめられている塾長のすごさを改めて感じました。「弟子に仕事教えよう思たら自分がよう解かってなあかん」塾生時分に教えられた言葉です。 倉庫見学では製材加工機械や材木のストックヤード、材木乾燥場、お施主さんのお道具や古建具の保管など京町家を改修していくにあたり必要とされる工務店のあり方を学びました。10年前に私が衝撃と感銘を受けたのと同様に、塾生たちの目は輝き、ヤル気に満ち溢れていたように思います。 自らの経験や知恵、仕事や決まりごとを惜しみなく伝え、後継者(塾生)を育成する熱心な棟梁(塾長)に我々は憧れるのです。 (作事組副理事長 大下尚平)
|