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京町家作事組



◎第五期京町家棟梁塾たより 4



座学5「京町家の施工(1)」

実習3「改修現場見学」
 2月の座学は荒木塾長の『京町家の施工』に入り、板図や模型をみながら技術的な細部の注意事項を教わったり、お手製のテキストに沿って材料の特性や地域性、建築年代推定の根拠となる意匠などを学びました。

 実習では改修が完了した3軒の町家を訪れました。1軒目は四条通に面した祇園のお茶屋造りの町家です。四条京町家が姿を消した四条通で唯一町家の外観を残す貴重な建物とのことで、ご主人のご厚意で再生された姿をみせていただきました。祇園祭等の事情で工期は長期化したそうですが、伝統工法による再生を大事にされ、みずから改修工事のプロセスに深く関わられたご主人と工事担当者がとても親しい雰囲気で、お住まい兼店舗となる町家も穏やかな気配に満ちていました。

 その後、市川屋珈琲へ移動しましたら、店内大繁盛のため内部の見学は叶わず、そのまま高台寺門前の「をちょぼ庵」へ向かいました。築150年の建物がカフェとして再生したときの工事中の記録写真を拝見しました。ウッドデッキ風のテラスと町家の意匠が同居し、新しい記憶が刻まれています。皆さんそれぞれのペースで現場の経験や学んだ知識を講義内容に照らし合わせて考え、質問して確かめる作業を続けています。この調子で棟梁や親方の厖大な経験を自分のものにしていかれたらと思います。

(作事組事務局 森珠恵)