◎第五期京町家棟梁塾たより 3
よくある事で言うとお隣さんが住んでおられて構造改修が思うように出来ないケースが多いのが現状である。五軒丸ごと改修できる機会はそうは無く、今回はある意味構造から治せる良いチャンスである。無筋の基礎に土台、通柱のみ石の上に乗るという伝統木造から在来工法への変換期の建物、どの時期、どの状態に戻すのか設計段階から難しい所である。質疑応答にも設計者ならではの鋭い指摘が多々有り、自ら行っている改修と照らし合わせていたようです。 次に向かった現場は大正時代に移築されたお茶屋作りの町家である。雨漏りにより構造体にも被害が多々あったものの、使われていた材が木柄も太く良材であったためきっちり戻す事が出来たのではなかろうか。設計を担当された末川氏の図面に皆釘づけになり、議論するもの図面を写メでとるもの、面白い光景でした。 完成した現場を見る事はあれど改修中というのは機会がないようで刺激になったのではないでしょうか。今後も機会があれば足を運びましょう、必ずそこにはヒントがあります。 座学のほうは安井昇氏より防火について、数々の実験をふまえた対策や現場に活かせる施工例など学びました。大型木造の新築などこの数年でどんどん可能性を広げている感じです。ますますのご活躍を期待しております。 (作事組施工担当理事 辻勇治)
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