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京町家作事組



◎第四期京町家棟梁塾たより15



茶室見学

いけばなに挑戦

意外と難しい材木の名前当て
 早いもので第四期のカリキュラムも残りわずかとなり、棟梁塾として集まるのも数える程になりました。
 実習では、数寄屋建築と茶室の見学として、岡崎洛風荘の草庵とアラキ工務店で改修中の数寄屋普請建物を見学しました。京町家にも茶室が設けられている場合や各所に数寄屋の要素を取り入れてあることも多く、学んでおかなくてはならない内容です。
 二回目の実習では初歩的ないけ花用語と飾りつけ作法を、祇をん小西にて学びました。小西いく子講師より、いけ花の歴史と嵯峨御流の流儀、そして塾生ひとりひとりが別々の花器と花材を用いて実際に花をいける体験を通して、作法を丁寧にご指導頂きました。
 座学では、荒木塾長より木材の種類と特性をクイズ形式で学びました。塾生達は木材のカットサンプルを手に取り、匂いを嗅ぎながら首を傾げています。普段の仕事ではあまり使用することのない種類の木材もあり全問正解者はいなかったようです。また、明治中期と大正後期の町家普請見積等の資料を拝見し、時代とともに変化してきた大工や各職方の手間代と材料費、柱一本が大工の手間代の何十倍もするという材木の貴重さを学び、町家に無駄な材木が使われる事は無いと再確認しました。
 その他にも塾長が実際に書かれる図面や手描きパースから、お施主さんだけでなく現場でたたく職人にも分かりやすいよう配慮すること、お施主さんとの信頼関係の築き方、そして入塾し同じ志を持ち学びあえた仲間の大切さなどを教えて頂きました。これからである私達にとって本当に必要なことばかりの活きた塾だと思います。数多の経験を惜しげもなく塾生に伝授される姿を見て、一期塾生時から二期、三期と長期間、一番学ばせて頂いている私自身が少しでも荒木棟梁に近づけるように精進していきたいと思います。

(施工担当理事 大下尚平)