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京町家作事組



◎第四期京町家棟梁塾たより12



座学:町家の工事費内訳

町家の実測
 今月は現場での実測、拾出し、見積り、この一連の作業をやる。ここは押えておかねばならない必須課題である。
 まず実測では、図面化するだけでなく、既存の状態を把握しなければならない。雨漏り、不陸、いがみ、既存の給排水・電気の容量、壁の状態、隣家取合い等々。この情報を図面に落していく。平面は比較的安易ではあるが断面をきっちり図面化出来るかが見積り出来る図面になるかのポイントである。
 座学にて塾長と末川氏に図面を見て頂く。断面詳細を拾えている者、辻褄が合わない者、全般的に優秀ではなかろうか。ただし塾長の見積れる図面には程遠く情報量が違う、請負う事が前提に書かれた生きた図面である。宿題が出された、次までに拾出しておくようにと。
 後日座学、宿題が出来無かったのかどうかは解からぬが出席者は3人であった、残念である。各自拾出した数量に作事組内での単価を入れ見積額をはじきだす。塾長、末川氏との差額、拾いもれが無いかなど皆で確認する。難しいを連呼する塾生、されど要は慣れである。現場で叩くだけではダメ、現場管理にコスト管理も出来なければ 独立の道は見えてこないししてはいけないと思う。分業という名の人まかせではいかがなものか?本来修行先でも見積りまでは教わるものではない、とにかく目安だけでも欲しいと若き日の私もよく思ったものだ。
 今後この単価を目安に実践を重ね自分なりのコストをはじき出して頂きたい。今回の授業で作事だけでなくまた違った角度から現場が見れたのではないか、皆の自立を期待する。
 P.S. 実習に使わせて頂いたあずきやさん(以前作事組で御手伝いさせて頂いた建物だそうです)、ありがとう御座いました。
(施工担当理事 辻勇治)