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京町家作事組



◎第四期京町家棟梁塾たより4



材木屋見学

塾長お手製の原寸模型を用いて
 祇園祭に賑い夏本番を迎え、体力的にもキツイ時期である。皆がへばる中、塾生は活気に満ちている様に見えるのは私だけではあるまい。座学の方も塾長による大工の講義が続き、大工方の塾生は食い入る様に講義に臨み、時間を押しての質問の山を我々に浴びせる。夏の日差しに少々お疲れ気味の塾長を帰さない始末。大工方で無い塾生には少々重い内容ではあるが、必ず仕事の助けになるであろう。がんばり処である。
 今回実習でお邪魔したのは、アラキ工務店作業場並びに倉庫である。他の店に出入りする事がまれである我々大工にはとても勉強になる。古材に古建具、銘木の数々。荒木会長により整理整頓された部材がこの先どの様に使われるのか、楽しみである。休憩時に拝見した塾長制作の三重の塔の模型は圧巻で、口を開けて眺めている塾生も居る始末。
 所変わって午後からは材木屋訪問、三加和さんにお邪魔した。原木を挽き良材と野材をうまく使い分けていた頃とは違い、製品を外国から仕入れ小売している現在。価格競争に巻き込まれ町の材木屋が姿を消す中、三加和さんは少しやりかたを変えて生き残りをはかる。化粧材を加工まで行い工務店に卸す方法だ。これから店を持とうとする者には良い情報ではなかろうか。作業場や大型製材機などが簡単に手に入らない今、このような材木屋さんは有難い存在であろう。
(施工担当理事 辻勇治)