• 京町家net ホーム
  • サイトマップ
  • アクセス・お問い合わせ
京町家作事組
第119号(2018年4月号)

◎2月の報告

3日(土) 再生研主催 京町家の改修設計基礎講座
「5.大徳寺聚光院、真珠庵見学」
9日(金) 理事会
10日(土) 再生研主催 京町家の改修設計基礎講座
「6.設計演習:実測調査」
17日(土)
18日(日)
町家再生交流会in倉敷、作事組全国協議会会員代表者会議
21日(水) ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ
鴨川滞在中のドイツ人芸術家来訪
21日(水) 茶道部稽古
23日(金) 理事会

◎3月の報告

3日(土)〜
9日(金)
京町家体験講座第4回
「300体の鍾馗さま☆トークとウォーク」
4日(日)〜
24日(土)
京町家体験講座第4回「町家にまつわる焼きもの!」
9日(金) 理事会
10日(土) 京町家体験講座第5回
「島崎先生に聞く、北欧家具で楽しむ京町家」
13日(火) 再生研主催 京町家の改修設計基礎講座
「7.設計演習:活用提案」
14日(水) 茶道部稽古
23日(金) 理事会

◎4月の予定

5日(木) 役員会
14日(土) 再生研主催公開セミナー「まちなかの変貌を考える」
18日(水) 茶道部稽古
20日(金) 理事会
29日(日) 総会




ドイツ人芸術家来訪
[ ドイツ人芸術家来訪 ]
 2/21 (水) 日本の伝統建築工法や大工道具、伝統工芸についてリサーチ中の芸術家(美術家ミヒャエル・ボイトラーさん、建築家クララ・ビンドゥルさん、プロダクトデザイナーのカイ・リンケさん)が釜座町町家や工事中の現場を訪れました。









3 0 0 体の鍾馗 写真展示
[ 町家の日企画 京町家体験講座 ]
 3月8日、町家の日は2 年目を迎え、京都市内だけでなく気脈を通じる姫路や倉敷の町家でもイベントが開催され、これまでの交流が種となって多様な広がりをみせつつあります。 作事組では、京町家体験講座を拡大して、身近なところでご活躍の先生型のご協力を仰ぎつつ、大きく分けて3 つのイベントを開催しました。



池田進氏トーク「鍾馗さまと京の町並み」
[ 300体の鍾馗さま☆トークとウォーク ]
 3月3日(土)から9日(金)まで、関西大学名誉教授の池田進氏をお迎えして 京都市内の300 体の鍾馗さまの写真展示と、2 回のトークショウ、街歩きを行いました。池田さんが専門外のこのテーマに出会われたのは、89 年岡崎の京都会館(現ロームシアター)で上演された中国河北省子劇院の来日公演『大型神話劇鍾馗さま 全二幕七場』で、それは上海昆劇の代表的な演目「鍾馗嫁妹」を移殖したもので、中国の説話に登場する鍾馗さまが京町家の屋根の上に多くみられるよ うになったのは、歌舞伎の演目が人気を博したことが一役買っているという説を披露されました。88 年から鍾馗さんを探し歩いて96 年に本を出版された先達の服部氏も参加され、当時から今までの変化を確かめておられました。京町家の屋根の鍾馗さま300 体の写真をみると、普段見過ごしている多様な姿、背景の面白さに気づかされます。ご来場の方々から、「これから上を見て歩きます」という嬉しいコメントをいただきました。「ぜひ、お気をつけて!」…池田氏は85 歳、心身ともにお元気で研究者魂を発揮されました。今回のトークセッションのために歴史資料にあたり、京都の町家を中心とする均質低層の街並の形成にかかわってきたお役人と市民組織「町組」の関係を冊子にまとめられました。事務局にて販売しておりますのでお手にとっていただけると幸いです。情報センター・若山不動産の若山さん親子が随所で強力にサポートしてくださって、「町家の日」をとおして京町家ネットの連携が深められました。


鍾馗さまとお茶碗制作中
[ 町家にまつわる焼きもの!鍾馗さまとお茶碗づくり ]
 3月4日(日)は、鍾馗像とお茶碗を自分で作ってみようという焼きもの体験をしました。瓦職の光本さん、芸大で陶芸コースを卒業した娘のなお子さんの指導のもと、皆さん思い思いの造形を楽しんでおられました。鍾馗さんは愛知県高浜市の上鬼栄さんという鬼瓦等を製作する窯で、お茶碗は光本さん宅の電気窯でそれぞれ焼いていただきました。ご町内の方、お施主さん、京町家ネット会員さんもご友人連れで参加され、私も友人を誘ってお茶碗作りに挑戦しました。お茶碗は三州の赤土と白い粟田土の2 種類で、土の成形、削り、絵付け、釉がけを一通り体験できました。土と釉薬との組み合わせが予想を超えた仕上がりとなり、最後までどうなるかわからない楽しさを覚えました。


鍾馗さま制作中

鍾馗さま集合写真
[ 島崎先生に聞く、北欧家具で楽しむ京町家 ]
 3月10日(土)は、あけびわ路地にお住まいの島崎信先生の町家暮らしを拝見するというスペシャル企画が実現しました。北欧家具と町家の協奏、小さな町家でも明るい光が射しこむ玄関土間に洒落たテーブルと椅子を置き、コペンハーゲンの街中、鴨の親子が横切って行くのを見守るポップなポスターでさらに楽しい雰囲気を醸し出しています。異質なものが調和する生活空間の中に身を置いてみると、何だかうきうきして自然と笑みがこぼれます。お話しも楽しく、奥の間のダイニングテーブルの高さは本来のお座敷の目線を意識して低いものを選んでみたけれど、やはりもっと背の低いものに入れ替えたいと仰って、まだこれから変化する楽しみが続きそうです。照明は100 種類以上のコレクションをお持ちで、ヨーロッパの優美と機能が同居するアイボリーの襞のシェードランプが壁からぱっと取り外せたりしてびっくりしましたが、有名なデザインだそうです。法律や規制によって街並みが整備されるより、町家の住人が心から楽しんで住みなし、そこに人が集まってきて、住人にやさしい街並みに近づいていくという方が面白い、そういうことを一生懸命やる組織ならばいくらでも力になりますよと頼もしいお言葉を頂戴しました。高林さんや松野さん、再生研究会の皆さんにお世話になり、新鮮な驚きがいっぱいの講座となりました。ありがとうございました。
(事務局 森珠恵)


作事組活動実績
■ 工事中・設計中案件:4件
■ 相談中案件:6件
('18年3月末)