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京町家作事組
第112号(2017年1月)

◎12月の報告

4日(日) 四条町大船鉾町会所 土壁づくりワークショップ
7日(水) 棟梁塾 座学21「木出し、値入、講評」
9日(金) 理事会
11日(日)
18日(日)
京町家等継承ネット京町家・空き家相談会 相談員研修会
11日(日) 棟梁塾 実習17「黒谷和紙漉きと綾部の民家見学」
18日(日) 作事組・棟梁塾冬期研修会

◎1月の予定

13日(金) 大船鉾町会所現場見学会・理事会・新年会
18日(水) 棟梁塾 座学22「堂宮 用語」
22日(日) 棟梁塾実習18「奈良見学」
27日(金) 理事会


[恭賀新年 2017]

 あけましておめでとうございます。
 年頭にあたり、京町家作事組の社員の皆様と、町家再生活動に携わる京町家ネット各会やご支援を賜る関係者の皆様の御健勝と御多幸を心よりお祈り申し上げます。
 昨年は、全国的な空家解消キャンペーンの下、市内の空き町家活用及び町家継承ネットワーク活動が本格的にスタートし、町家流通や金融緩和政策拡大に伴い、実際の工事現場にも忙しない多忙症が流行し、仕事量が増えたのは良いが、現実には職人の手が回ってゆかない不都合な現象も多々みうけられる様子でした。作事組が受注した仕事量は例年並みであったにも関わらず、不成立の相談件数が多くなりました。相談員が誠意に対応し、銀行の融資予算はあっても、町家の将来的存続が危ぶまれる民泊転用や、ただ転売目的の不健全な改修依頼者が激増しています。そんな中でも京都市は、国の観光戦略や、京町家ネットからの要請を受け、本年度中には町家を保存再生していく為の新条例を検討中であり、建基法第3条適用除外の為の条例で厳しい運用基準の緩和策を準備していると聞きます。この様な行政側の京町家保存活用施策や、町家所有者の英断に対応して、我々は、作事組の考える伝統構法を軸に据えた町家改修を念願の大型町家や用途変更、あるいは増築を伴う重要案件に挑戦するステップの年にしたいと考えています。
 昨年末から再生研・作事組が京都景観まちづくりセンターと協働して取り組んでいる四条町町会所も四月には完成披露が予定されています。1月13日新春理事会の日には、17時30分より現地説明会を行います。是非現場視察の機会を持っていただく様、お願いいたします。
 本年も皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
 
京町家作事組代表理事 木下 龍一



作事組・棟梁塾冬季研修会
[作事組・棟梁塾冬期研修会]
 12月18日の冬期研修会は、釜座町町家の大掃除から始まりました。重いものを持ち上げたり、高いところの埃をはらったり、念入りに掃除してくださった皆様、今年も一年お疲れ様でした。
 続いて施工委員会では伝統構法をまもる改修を貫いていくうえでの品質と価格の標準化、体制の強化、発注方法や情報共有の仕方、会議のあり方などについて話し合いました。「社会活動にとりくむいくつかの団体に所属しているがこれだけうまく回っている組織は他にない」といった心強い評価もあり、信頼感をベースに運営面で改善できる点を挙げ、次期に向けて合意をつくっていくことになりました。
 その後、初期の作事組の改修事例である建田邸を見学させていただきました。建田さんの製作された上質な家具や調度品が建物と調和して、溜息がでるようなすばらしいお宅です。しかし残念なことにお困りごとが外からやってきて、お隣に旅館ができたために失われた静かな住環境を回復するには行政や地域協定、ジャーナリズムの力も必要です。

[四条町町会所 土壁づくりワークショップ]

四条町大船鉾町会所壁づくり
 12月4日(日)四条町町家で土壁づくりのワークショップを行いました。さくあんの親方はじめ左官職人さんや大工さんの指導と実演で、四条町大船鉾保存会囃子方の皆様や、四条町にお住まいの方々、まちづくりセンターの皆さんや棟梁塾生も家族連れで参加して、通り庭の奥の部分の柱と柱のあいだに竹木舞を編み、荒壁をつけました。生き生きとしたエネルギーが集まってつくられた場所が多くの人に愛され、長きにわたり大切に使われますように。

[四条町町会所改修工事 現地説明会(申込不要)]
1月13日(金)17:30〜18:00
四条町町会所:新町通四条下ル西側、お地蔵様の隣です。

作事組事務局 森珠恵

工事実績: 234件
相談件数: 646件
('99年〜'16年12月31日現在累計)