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京町家作事組
第50号(2011年11月)

◎10月の報告

5日(水) 棟梁塾11「町家改修工事に係る工事内訳」
8日(土)
作事組全国協議会 会員代表者会議
14日(金) 理事会
16日(日) 都ライト
19日(水) 棟梁塾12「町家の詳細」
22日(土) 京町家塾Bコース「三和土」
23日(日) 愛宕山お参り
28日(金) 理事会
29日(土) 斧屋法要
30日(日) 棟梁塾実習「町家の実測」

◎11月の予定

3日
(木・祝)
棟梁塾実習「初歩的な生け花用語と飾りつけの作法」
6日(日)
棟梁塾実習「電気設備の納め方と注意点」
9日(水) 釜座町町家1年検査
棟梁塾13「実測図からの拾い出し」
11日(金) 理事会
16日(水) 棟梁塾14「拾い出しから値入まで」
19日(土) 京町家塾Bコース「障子紙の張替え」
25日(金) 理事会

[都ライト]
都ライト おもてから見た町家のあかり
都ライト おもてから見た町家のあかり
 私たち都ライト実行委員会は、京町家の魅力を光を使って照らし出す灯りのイベント「都ライト」を開催しています。今年度は、立命館大学産業社会学部のリムボン先生のお引き合わせにより、釜座町町家を舞台として、7年目を迎えた都ライトのデザインリニューアルやそれに伴う明かりの実験、町家や照明について地域の方も招き入れて学ぶワークショップを開催して参りました。
 その集大成として、去る10月16日に「都ライト 実験編」を同町家にて開催しました。当日は都ライトの新たな灯りのデザインや、町家の特徴である格子のデザインを取り入れた灯籠、西陣織の帯の図柄を使用した灯籠などを展示し、7年目を迎えリニューアルされた都ライトの姿を、地域の方や関係者の方にご覧頂きました。開催中は通りがかりの方に立ち寄って頂くこともでき、充実した都ライトのお披露目となりました。
11月3〜6日には、上京区の浄福寺通大黒町にて、本番である「都ライト2011」を開催し、大勢の方に楽しんで頂くことができました。
(都ライト実行委員会代表 丸山雄史)

[斧屋法要]
 10月29日午後2時から、裏寺町にある法界寺にて、年に1度の斧屋の法要が営まれました。釜座町町家が斧屋から町に寄贈された明治以降、100年以上に渡って続けられてきました。町内の皆様とともに作事組のメンバーも参列させていただき、法要の後、お墓にお参りして菩提を弔いました。その後はお寺の一室で町内会会合が開かれ、釜座町町家改修のDVDが配布され、愛宕山お参りの報告などがありました。町家の寄贈者である斧屋への感謝のきもちが、町内の絆を一層強くしているようです。

[愛宕山お参り]
 10月23日(日)、春から延期となっていた釜座町町内会の皆さんとの愛宕山お参りが実施されました。朝まで続くと予報された雨も未明には上がり、秋晴れの登山日よりとなりました。目的は火除けのお札を頂くことと、山頂近くにある青銅製の鳥居に釜座町の文字が刻まれていることと年代を確認することでした。「三条釜座町鋳物士大工」が鋳造し「寛永九年(1632年)十一月十六日」に奉納されたことがわかりました。379年前の釜座町の先祖の足跡を目の当たりにし、町の歴史を改めて実感する一日となりました。
愛宕山 青銅の鳥居の前で
愛宕山 青銅の鳥居の前で
「三条釜座鋳物師大工」の文字
「三条釜座鋳物師大工」の文字
「寛永九年」の文字
「寛永九年」の文字

[第34回全国町並みゼミ飛騨市大会に参加して]

古川町の町並み
古川町の町並み
 9月31日から10月2日にかけて開催された「第34回全国町並みゼミ飛騨市大会」に作事組理事4名と事務局1名を派遣しました。全国71団体から500名が参加し、「つなごう歴史の町づくり−飛騨の匠の技と心を伝えよう」をテーマに分科会、見学会、交流会などが行われました。作事組からは棟梁塾の活動などを紹介させて頂きましたが、職人さんや伝統の技術が失われつつあるなかで、他の地域と比べると京都はまだまだ恵まれた環境にあることが実感されました。
古川祭の屋台が勢揃い
古川祭の屋台が勢揃い
開会式典
開会式典
円光寺で開かれた分科会
円光寺で開かれた分科会
白壁土蔵が並ぶ瀬戸川沿い
白壁土蔵が並ぶ瀬戸川沿い
公開された屋台蔵
公開された屋台蔵

[第4回全国町家再生交流会in今井町に参加して]
今井町の町並み
今井町の町並み
 10月8日、9日に開催された「第4回全国町家再生交流会in今井町」に作事組理事3名、事務局1名を派遣しました。関西を中心とする全国各地から町家再生に取り組む団体が集い、議論を交わしました。
 奈良県橿原市にある今井町は、中世の環濠集落を母胎とし、江戸時代に天領として栄えた町で、今西家を代表とする多くの町家が残されていますが、改修方法や活用方法など多くの課題を抱えています。
 今井町に限らず全国各地で共通する課題について、様々な角度から問題提起や事例の紹介などを行い、情報を共有し、各地での活動に活かすべく議論や交流が行われました。
各地からの活動報告
各地からの活動報告
分科会 町家を会場に
分科会 町家を会場に
改修現場見学
改修現場見学

[第3回作事組全国協議会代表者会議]

全国各地から集まった作全協メンバー
全国各地から集まった作全協メンバー
 5名の役員による会議に、代表の気概をもった11団体25名が参集した。第4回全国町家再生交流会in今井町に合わせて、第3回代表者会議は今井町環濠外に近接する料理屋「十返舎」で開かれた。
 作全協の活動を取り巻く環境の現状報告がなされ、国の動き、東日本大震災の伝統木造の被災状況や京都の状況が示されたが、みんなの関心が集中したのは京都の建基法第3条適用除外条例であった。
 文化財に類するあるいは景観上重要な建物、そして対象が500軒ぐらいとという条件付ながら、建基法の適用除外に一歩踏み出したことが参加者の驚きであった。この一歩は地域の町家等伝統木構造の技と性能は地域が再生し、守るという作全協の活動趣旨に沿ったものである。各地域でも同様の、ないしはより以上の−例えば新築に繋がる建基法第3条第1項第4号の「再現」も盛り込むような−条例等をつくる努力をして、それが網の目のように全国を覆うようにしていくことが確認された。
 上記の努力の一環であり、国の法律自体を変える材料にもなる、各地域の町家等伝統木造の性能を明らかにし、造り方や守り方あるいは暮らし方の指針となる「伝統木造町家(民家)の性能標準」の各地域による作成が、京都の参考事例の提示と併せて執行部より提案され、作成期日を23年度中とすることと共に了承された。また、現在参集する会員の活動地域を拠点にして周辺地域にも働きかけて仲間を増やしていくことが、全国の網の目化を促進するとして、八女総会で八女グループが周辺地域グループへ参加の働きかけをした結果、活動の広がりが実感できたことを踏まえ、次回総会開催地の金沢でも同様に、仲間の輪を拡げる総会にすることも確認された。
 これまでの各地の活動成果で蓄積されたエネルギーで、町家等を取り巻く環境が良い方向に転がっていく気配を感じる。それに引きずられたりどこへ転がるやらということにならないように、各地域の仲間と力を合わせて、ちゃんと転がしていきたいと思う。
(代表理事 梶山秀一郎)

[釜座町町家改修後1年を迎えて]
 釜座町町家が改修を終えてから、この10月末で1年が経過しました。改修後、様々な活用が試みられ、京都や日本各地から様々な団体の視察があったほか、海外からも多くの方々が見学に訪れてくださり、京都の町家の良さを実感していただきました。
 作事組では、改修を終えて1年経過した時点で、御施主様にも立合いただき、1年検査を実施しています。釜座町町家にも町内の代表の方にお出でいただき、各部の不具合などを点検、ご指摘いただきました。建具の閉まり具合や柱の傷などが確認され、対処することとしましたが、大きな問題はありませんでした。
 また、ワールドモニュメント財団の助成事業の一つである釜座町町家改修プロジェクトの報告書も完成し、事務局で販売しています。改修方法の詳細などが写真で紹介されていますので、ご興味のある方はどうぞお求め下さい。

工事実績: 171件
相談件数: 453件
('99年〜'11年10月31日現在累計)