漆喰 【しっくい】 shikkui                                     作事組理事  萩野 哲也
平成21年 2月
京都市中京区 

7分51秒
監修 京町家作事組
設計 アトリエRYO
施工 且R内工務店
左官 さくあん
  萩野祐二
 石灰とスサ、糊、水を加えて練ったものを漆喰と言い、高松塚古墳壁画の下地材として使用されていたと言われている様に、遠い昔から使われてきた建材です。しかし多くの人が白かべと接する機会が増えたのは、桃山時代ごろからではないでしょうか。それでも五百年の歴史があるという事は、今日でも五百年前と同じ材料で施工している事であります。 これは左官の進歩がないことなのか、素材がすばらしいのか。最近の建材はあまりにもいろんなものが発達して、はやく便利に施工できる反面、人に対してはシックハウス等の問題も生み出した。これに対して漆喰は人、住まい、自然に対しても親切であると言える。漆喰でシックハウスはしゃれでも聞いたことがない。また漆喰壁は今日のスピードを求める建築には合わない、樹脂、薬品を使わない分、どうしても乾燥時間が必要で、下塗り、中塗り、上塗り、とそれぞれ塗っては乾燥を何回もくり返さなければならない。それによって得られる塗厚が自然に吸放湿をくり返し、住まいに良い環境を作ってくれるのです。
 映像は仕上げ塗り行程、2度漆喰を塗って,さらに仕上げ塗り、両手で押さえる。それぞれコテも変わる。