いがみ突き
【いがみ突き】igamituki
傾いている建物の立ちを戻す作業のこと。
町家の構造改修では、一般的に「上げ前」の後に続けて行う。
建物を押し戻す方向では、柱と胴差(大梁)、母屋(屋根構面の横架材)、ササラ(小梁)の仕口にネコ(かませもの)とケンド(つっかえ棒)を当て、仮設の支点からジャッキで突く。  逆に引き戻す方向には柱にワイヤーを掛け、同様の支点からウインチで引く。  この状態で仮設の筋交い等で固定し、仕口や袖壁、垂壁等の改修を行う。棟付近で数十センチ倒れているような町家でも建物の立ちは十分戻る。
ひと夏の梅雨を越せば、仕口のクセも直り安定する。
下げぶり(糸の先におもりが付いた道具)で立ち(垂直)の戻り具合を(計る)見る。

監修 京町家作事組
設計 末川協建築設計事務所
施工 且R内 工務店


平成20年上京区N邸

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