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大橋邸竣工見学会

 大橋邸改修工事が完了し、5月25日に見学会が開かれました。事前に同町家のある醒ヶ井通りの綾小路、仏光寺間の要法寺町住民の方々全員にお知らせはしてあったのですが、町内の全居住者ではないかと思える程の方が来られ、参加された約80名のうち半分以上が町内の方でした。
  またお施主さんの外国の方を含めたお知り合いの方、ボランティアで三和土やベンガラ塗の作業をしていただいた方々も参加され、作事組のメンバーがオモテに追い出される程の盛況でした。町内の方のなかには当日は参加できないからと前々日に訪ねてこられる方もいて、関心の高さが窺われました。それもその筈で、町内からの参加者には20年程前まで賃借されてお住まいだった方と親密なおつきあいをされていた方、自宅の改修時に裏のはなれを借りてお住まいだった方、縁側の隠し階段と併せて、二つ階段があるこの町家でかくれんぼをしたことを懐かしそうに話す80がらみのおばあさん、ご自分の町家もこの町家を建てた現当主のおじいさんに建ててもらったという方など、町内全ての方が何らかのかたちでこの町家やここの住人と関わりがあり、作事組が改修をしている間、一体この町家がどうなるんだろうかと興味と不安を感じながら注視していたと云うことだったのです。この町家を建てた大工さんの孫に当たる前所有者の方にも案内をしたのですが、ご本人と一緒にその叔父に当たる、つまりこの町家を建てた大工さんの息子さんも来られていて、ここで生まれ育ったと言いながら当時の記憶をまさぐるように長い間見て回られていました。
 お知らせした時間を過ぎても訪ねて来られる方がいて、1時間という設定を悔やみながらも、見学を終えられた方々が立ち去りがたいかのように付近で井戸端会議をしている光景に、やって良かったなと思いました。
 点であるひとつひとつの町家の改修を通して線から面、すなわち町なみから町コミュニティーへと広げていくことを目指す作事組の活動の手応えが感じられる見学会でした。
(作事組理事長 梶山 秀一郎)


大勢の見学者

「葦戸」がしっくり納り

白木と古木のコントラスト

熱心に説明の、理事長