上京・Ng邸塩 麻奈未(NOM建築設計室)
設計者のコメント 姉の住んでいる実家の老朽化が甚だしいため、改修するか、解体した方が良いのかという相談が、名古屋に住んでおられる弟さんから事務局に入った。平屋建の主屋で暮らしていて、ハナレ(2階建)は物置として利用していた。 主屋・ハナレ共、かなり傷みが進んでいて、特にハナレは外壁の杉板がほとんど朽ちて無くなっており、荒壁が崩れかけていた。また望楼があった所から長期にわたって雨漏りしていた。 主に主屋を全面改修し、ハナレはこれ以上ひどくならないように最小限の改修とした。 主屋には、北側に庭と、庭に面したゲンカンがあったが、屋根が崩れかかっていたため、将来元に戻せるようにしながら、押入れとして改修した。 ハシリニワを占領していたユニットバスを外部に移設し、外にあった便所を囲い、脱衣室を作った。 床組は組直し、畳は表替え(一部取替え)、壁はすべて塗替えた。 主屋は江戸期建造であると思われ、骨組みも細く、かつ以前の改修で歪んだまま2棟を接続していて、歪み方や沈み方が一様ではなく、揚げ前・歪突きでは苦労した。 ハナレは、老朽化はしていたが、構造はしっかりとしていたため、将来改修する時に無駄にならないように、屋根・外壁とも応急的に改修した。
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