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京町家作事組

その10
京町家の畳の寸法は一定ですが、東京の建物では柱割のほうが一定になっています。この違いのわけを教えてください。
 平安京の街区がそもそも内法寸法を守って造られており、それを踏襲してきた京町家のモジュールまでも徹底して内法寸法を守る文化があります。大公秀吉の検地によっても京都の都心部の区画の帳割は変える事が出来ず、その後も関西と関東では同じ一丁歩でも一割ほど寸法が違うこととなりました。(関東の百万石は関西では八十万石)。
  結果的に1間の寸法も6尺6寸と6尺に分かれました。大きく言えば為政者の収税のための外−外の寸法体系を、暮らしとともに創り上げられた内法制が受け入れなかった歴史ともいえましょう。建物を建てる時には、もちろん柱の芯芯寸法が一定のほうが簡便なのですが、内法制のほうが住み替えや材料の再利用の点で優れて合理的であり、裏を返せば都市住宅としての京町家を造り上げてきた職人達の技術の高さを示していると言えましょう。

荒木 正亘(京町家作事組副理事長)