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その2
 堀 宏道(作事組会員、電気工事)

左の物は大岡邸のこぼち(解体工事)で天井内で見つかった物。見つけた大工さんも「これなんや!」と。
電線が付いていたから電気屋に質問!こっちこそ初めてみる物。でも良く見てみると大きなメジャーの様なバネで碍子のプーリーを引っ張っている。なんと今日、松下電工がリーラーペンダント(照明上げ下げ器)として売り出している物が、50年前の京町家に既に存在していたのです。

よーし、再生いたしましょう。
店に持ち帰り、まず掃除をして、あれ?なにやら書いてある真ん中の板にの部分に紙が張ってある、漢文らしき文字が半分表れてきた、説明書だろうと「ほぉーふーん」と。文化庁でもないので解読は諦めた。要所々にグリスアップ、板バネあたりは破損したら交換部品もないので慎重に慎重をかさね、修復していった。
木箱で出来たものでご丁寧に内側にブリキが釘で張ってあったのだが、一部めくれていたので、それを張るのに長さ5mmの釘を金物屋に探し回った。
ケーブルと布打ちコードは新品に交換したが、案外5mも必要とした。
写真では分かりづらいので図に描くと左の様な仕掛けで、巻バネにつながったAのダブルのプーリー(なんと碍子、ここで最初の写真を見ていただくと分かりやすいですが)、それが左右に動くことで照明器具はそのAの動きの4倍の距離を上下します。巻バネには戻り止めがあり、そこで巻の強さを調整する事で重さの違う照明器具でも途中停止が出来るようになっていました。
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京町家作事組事務局  奧のはしりにて
設計 NOM設計室
施工 安井杢工務店