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楽町楽家

楽町楽家を終えて

 楽町楽家を無事終えることができました。
 ご参加やお手伝い頂いた友の会会員また共催頂きました京町家再生研究会、京町家作事組、京町家情報センター、スペースデザインカレッジの皆様がたに心から感謝いたします。
 楽町楽家の最終日に打上げのパーティーが行われましたが、イベントの成功は、早い時期にこの打上げをイメージすることだとイベントのプロから聴いた事がありました。
 多々反省点があると思いますが、参加した皆さんの笑顔を見ていると一応成功だったと確信しています。
 半年前の11月10日に初めて行った交流会で、楽町楽家の実行の方向が決まりました。色々議論の末、今回は楽町楽家の原点に戻り、町家の良さをワークショップなどを通じて、体感して頂く事をこのイベントの大きな目的にしました。
 そして毎月一度の頻度で実行委員会が行われるようになりました。一月には、このイベントの資金集めとして「掘り出し物市」が行われ、会員のご協力の結果、多くの資金が集まりました。二月には、このイベントの主催として京町家友の会が担い、共催として京町家再生研究会、京町家作事組、京町家情報センター、スペースデザインカレッジにお願いする事を決定しました。京町家に住み暮す人たちから京町家の心地よさを一般の方々に伝えようと思い「住み継ぐ暮らし」をテーマにしました。
具体的な町家でのプログラムは、会員から募集し2月中旬までに決定してチラシ制作に取りかかりました。イベント参加者が集まった会議で、なるべくイベント毎に日時が重ならないように調整する間も、調和のとれた良い会議を行う事ができました。参加されるかたは、ほとんどが町家に住まれており、町家の良さを1人でも多くの方に知って頂きたいという熱意がすごく感じられました。
 イベントの1週間前に実施された「掘り出し物市」もご提供者のお陰もあり、多くのご来場となり、楽市楽家のイベントも資金的に心配なく行う準備ができました。何事も準備7割本番3割と言われていますが、この時点で成功間違いないと思いました。
 そして5月24日から楽町楽家が始まりました。今回はワークショップの始まる前に趣旨をスタッフから伝えようと考え、私もなるべく多くの会場に出向きました。24日、田中家杉崎家オープンハウスと「町家で子育て」トーク。ギャラリーのざわ「紙と布のしつらえ展」作家さんトークライブ。25日は当方のちおん舎「つくって味わうnikiniki」、26日はちおん舎「サバイサバイThai Cooking」、27日はちおん舎「初夏の和菓子」、28日は長野家「石田梅岩の教え」、29日は四条京町家「京町家で過ごす一日」、6月1日はモモのうち「自立型の暮しを考える」これらのワークショップは、最後までいられませんでしたが、参加者も多くみなさん満足されたイベントになったと思います。個人的に感じた事は、おくどさんのある町家の心地よさでした。表から中庭にぬける風の心地よさに加え、縦の空気の移動によるものだと思われますが、この吹き抜けの火袋とよばれる空間のよさを再発見しました。
 そして、町家の良さをわかっているのは意外に他の土地の人の方が多いという事です。京都の人が、本当に町家の素晴しさに気づき、この中での暮らしを楽しむことが、他の地域の人も受け入れ町家を維持することになるのではないかと思いました。人間は、いつも無いものねだりをするものです。自分のもっているもののなかの良さを見いだし、大切にすることが本当の幸せに繋がると確信しています。
 是非次回もこの楽町楽家が、よりよく心地よいイベントになるよう、情報もオープンにして問題点もみなさんと共有できるようにしたいと思います。

西村吉右衛門 (友の会会長)