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京町家情報センター
京町家に移り住んで──角野邸


 今回は、円町の駅に程近い京町家。京町家作事組・山内工務店で改装され、京町家情報センターにご相談いただきオーナー物件として登録され賃貸に出ていた物件。この京町家に移り住まれて2年ほどが経たれた若いご夫婦の角野さんのお宅にお話しをお伺いにお邪魔してきました。最近、お子さんもお生まれになり、現在は3人で暮らされています。

聞き手:聞き手:城幸央

――京町家に住まれるきっかけ
 以前は、お二人でマンションに住まれていましたが、契約の更新を期に一軒家に住もうと考えられ、京町家の物件も探し始められたようです。ご主人のお仕事が遠方ということもあり、通勤に便利な駅の近くということも条件として探されました。
 そんな中、不動産業者・大京住販さんにご紹介いただいたこの京町家を見たところ、ちょうど良い大きさと、この物件の雰囲気に一目惚れされ、決められたということでした。

――住んでみて
 住み始めて、見たこともない虫が出現し驚くこともあったそうですが、京町家の畳、土壁、漆喰壁の中にいると落ち着く。1階は開け放てば風が通り夏でも涼しく暮らせ、2階は南北に窓があり、日当たりが良く冬でもとても暖かいということです。玄関を入った所、屋根のある内玄関のスペースがあり、このスペースもとても気に入られているそうです。お友達が遊びに来られた際も、「お店みたい!」と好評だったようです。
 家の中は、物が少なく綺麗にされています。あまり物を置かなくても、京町家の木や土壁が雰囲気を作っているから良い。この家に住んでから、部屋の中に置く物を買うときも、部屋に合うようにと考えて買い物をするようになったと、話されます。また、お風呂・トイレは最新のものが入っていて、古いものと新しいもの・快適なものが合わさっている感じがなんだか面白いということも言われていました。

――ご近所との関わり
 マンションに住んでいた時は同じ階でもどんな人が住んでいるか分からないような付き合いで、奥さんはちょっと寂しい気もされていたようです。この京町家に住んでから、町内会にも加入しご近所の方とも顔を合わせることも多く、日々挨拶を交わす人も増え、ご近所との関わりを楽しまれているようでした。町内の行事の地蔵盆には都合が合わず、まだ参加できていないそうですが、お子さんもお生まれになったことから次回は是非参加したいということでした。大家さんも良い方でよく顔を合わせて仲良くされておられるようです。

 今回、角野さんのお宅にお邪魔して、本当に幸せそうでお二人に合った良い京町家に出会われたのだなぁということを感じました。オーナー様とユーザー様、そしてこの京町家が出会うべくして出会い、素敵な暮らしをされている良い例だと思いました。

2013.7.1