北区、新大宮商店街の近く、オーナーのお母さまが大切に住んでこられた大型の京町家。２年前に突然お亡くなりになりアメリカ在住の息子さんが帰国までの間、この町家を使っていただきたいとのご相談がありました。京町家情報センターで借り手を探したところ親子孫三世帯のＹさんご家族がご利用してくださることになりました。今日はそのご家族にお話を聞いてまいりました。
聞き手：オークライフ株式会社 大前温彦
――どうしてこのお家に住まれるようになったのですか？
| Ｙさん |
今までは、両親と別々に住んでいまして、一緒に住める家を探していたのです。 |
| お父さん |
私たちも高齢になってきたので子ども達と同居がしたかったので喜んでいます。 |
――別々とのことですが、お引っ越しになられる前は
| Ｙさん |
マンションでした。同じマンションで隣同士の部屋を2軒借りていました。
しかし、お風呂は二つ、洗面所も流しも二つと不経済で三世帯で一緒に住める家があればと思っていたところ紹介していただき、大変大きなお家ですので決めました。 |
――Ｙさんはこの町家のオーナーとずいぶん昔からのお知り合いとか、その後、劇的な再開だったのですね
| Ｙさん |
ええ、僕も北区の出身で実はこの家を紹介されたときあれっ！と思ったのですが、まさか彼の実家だとは偶然ですね。 |
――そのお家に実際、住んでみていかがですか？
| お父さん |
私は子どものころから町家に住んでいましたので建物の造り、使い勝手など細かいところまで懐かしく思います。 |
| Ｙさん |
僕も町家の落ち着いた感じは大好きです。京都の住まいとして一番しっくりきますね。オーナーのお母さまが毎年、玄関や表の格子に油を塗って大切にしておられたそうです。 |
――大変大きな町家ですが、
| お父さん |
大きすぎるくらいです。二軒分の荷物を入れても部屋がまだ余っていますよ。
お庭も立派ですし。 |
――奥様やお子様は、
| Ｙさん |
広くなって喜んでいます。娘は少し学校にも近くなりましたし。 |
――ご近所とのお付き合いは、
| お父さん |
オーナーのお母さまが付き合ってこられて通りにお付き合いをしています。 |
| Ｙさん |
今までは、隣にあるガレージのスペースで毎年お町内の地蔵盆をやっておられたそうで、引き続いてやってもらうつもりだったのですが、反対にお町内が遠慮されてしまいました。本当に皆さん良い方ばかりです。 |
――1年間、町家にお住まいになったご感想はいかがですか？
| お父さん |
はっきり言って冬は寒くてマンションに戻りたくなりますね（笑） |
| Ｙさん |
町家は寒いですが、お庭があり四季が感じられます。特にこちらのお庭は秋の紅葉は本当にきれいで、わざわざよそに見に行く必要がないくらいです。 |
| お父さん |
夏は涼しいですね。庭の緑のきれいですし、いい風が通ります |
| Ｙさん |
これからいい季節になっていきますので快適に生活していきます。 |
――ありがとうございました。これからも皆さんで楽しく賑やかにお過ごしください。
親子孫三世帯でお住まいのＹさん。必ず誰かが家にいる、そしてご近所とのコミュニティを大切にするということがまちづくりにとって大事な要素の一つだと思います。
2013.5.1
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