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京町家情報センター
京町家に移り住んで──福井邸


 上京区の千本通りに面した、昔、砂糖問屋をされていた明治後期の町家。現在、京都府立大学院でランドスケープを研究されている福井さん。京都に住まれて4年ほど。昔から憧れのあった京町家を購入され、綺麗に改修され、現在住まれて10ヶ月ほどが過ぎようとしています。どのような暮らしを楽しまれておられるか、お話を聞きに行ってきました。
聞き手:松尾壽子(株式会社松尾)

――京町家に住むことになったいきさつ
 福井さんご夫婦は、東京・神戸・博多と移り住まれて、京都にお住まいになることになられました。今回、特に奥様が京町家にご興味があり、熱心に探されていました。以前、京都を訪れた際に京町家を見学され、風が通り、夏涼しく過ごせる京町家に感銘を受け、「いつかこんなところに住めたらな…」という思いをなんとなく持っておられました。そんななかご主人のお仕事の関係で京都に住むことになり「それならば!」と京町家情報センターにも登録され、特に通り庭や火袋の残る京町家物件を探し始められました。「住みたい町家を探しにいこう」にも参加され、いろいろな町家物件を見られ、痛みの激しい町家にも驚きながら、じっくりと探されておられました。
 今回、お決めになられた京町家は、京都に来て今まで過ごされていた馴染みのある地域で、通り庭や火袋も残り、今までいろいろな町家を見てきていた経験からまだまだ再生可能と思い、決められました。良い方々に助けられ、話しもスムーズに進み、家が呼んでくれているような感覚にもなられたそうです。

――実際に住んでみて
 改修する前は「本当に住めるように綺麗になるのか」と心配していたが、自分達でもここまで改修で綺麗になったことに驚いたということでした。
 マンション住まいとは大違いで、四季の移ろい、時の流れ、空気の流れを肌で感じることができ、また京都という町の土壌での相乗効果でしょうか、日々癒されているそうです。
 元々、エアコンは使わないお二人でしたが、夏の暑さに弱いという奥様も、この夏は風が通る町家で快適に過ごすことができたそうです。
 友達を呼んで、家に遊びに来てもらうと感動してくれることも喜んでおられました。
 来春には、庭の設計もされているご夫婦により、庭も完成予定、掃除は大変ですが、綺麗に蘇らせて長く使うという感覚で楽しまれていかれるようです。

2013.1.1